富山大学 医学教育学講座の木戸敏喜先生に大学院についてご寄稿いただきました!!
ありがとうございます!!!
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総合診療科のブログに寄稿する機会をいただきありがとうございます。大学病院でリウマチ・膠原病医として勤務しつつ、医学教育学の大学院生をしています。2025年9月修了予定なので、現在は学位審査の準備の真最中です。
☆大学院に入るとは☆
博士号は、自身で研究を一通り完結できる能力を示す学位です。つまり、日常の活動から疑問を持ち、リサーチクエスチョンに変換し、計画を立て、実施、論文執筆・投稿できる能力のことをいいます。学位を取得することで、アカデミックポジション(大学病院でいうと助教以上)に就くことができます。医師として社会の要請にこたえ、仕事の幅を広げるためにも重要な資格です。また、研究は、これまで人類が明らかにしてきたことのうえに新しい知見を加えることであり、巨人の肩に立つと比喩されますが、とても価値のある仕事です。医師という仕事は社会的なやりがいと学問的な勉強のしがいがある職業です。私は大学院生として研究に従事することで、自己実現する手段をだんだんと得ていると実感しています。
☆富山大学医学教育学講座について☆
私が大学院に入学したのは、教授が着任した年の10月で、記念すべき(!)大学院生第1号でした。ここ4年間でスタッフも大学院生も、学びに来る学生もふえて、非常に活発です。2025年7月現在、教授以下、助教クラスが4人(医師を含めた多職種)、私を含めた大学院生が3人(うち1人はインドネシアからの留学生)です。大学院生に対するメンタリングは、スタッフの先生方が学内の教育業務をこなしつつ、ひとりずつ担当がきまり、2週に1度のリサーチミーティングでもんでもらいながら研究を進めています。リサーチミーティングには学外の先生もオンラインで参加してくださり、医学教育の世界で人脈がどんどん広がります。
☆入学の手続きについて☆
くわしくは大学のホームページを参照いただければと存じますが、これまでの実績では2回、募集期間があります。たとえば4月入学だと、前年度の7月と1月に募集期間があります。いずれも数日と短い期間なので、あらかじめ富山大学杉谷キャンパスの学務課に連絡をとって書類を準備します。卒業大学の成績証明書などすこし手間がかかるものもありますから早めの準備がおすすめです。入試は、医学系の総論的な論文を読んで、設問に答えるというものでした。英和辞典の持ち込み可です。試験は平日なので、勤務調整が必要ですのでお気を付けください。そのあと、指導を受けようとする教室の先生方と面談(オンラインでも可)があります。滅多に落ちることはないので書類の準備だけ遅れないように!
☆院生として生活について☆
私の所属する第一内科では、4年間の課程のうち、3年間は病棟をフリーで外来勤務のみにしてくれますので研究の時間が担保できます。単位設定されている実習や講義を受けたりするのにも便利ですし、空いた時間で、海外学会など、学術活動を増やすこともできました。一方、私はER兼任の診療助手を兼務しておりますので、ER勤務は減ることがなく、臨床へのエフォートは比較的ございましたが、みなさまのサポートのおかげで楽しく過ごしております。臨床での後輩の教育の時間も病棟勤務医時代とは異なったアプローチができたと感じています。とはいっても、年を経ることに院内のお仕事も増えてまいりまして、てんてこまいという感じです。しかしそのおかげもあって、ここ4年間、レジリエンスやタイムマネジメントのスキルも磨かれてきたと感じています。
☆さいごに☆
医学教育学・第一内科の先生方をはじめ、みなさまから暖かい声掛けやご指導をいただき、ありがとうございます。改めてここ4年間を支えてくださり、母校で学位をとるということは、自身のアイデンティティを見直すいい機会になっています。研究者としてもまだまだかけだしですが、職務を通じてできることを増やしながら働いてまいりたいと考えています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。